そんな光景を誰もが目にしたことがあるだろう。建物を歩き回り、消火器の最終点検がいつ行われたか、あるいはすべての照明が動作しているかをチェックしている点検官。彼らはTICC(Testing, Inspection, Certification and Compliance)の分野で働いており、文字通りボックスにチェックを入れている。そして、この仕事は肉体的には簡単そうに見えるかもしれないが、遠隔で行う必要があるとなると全く別の問題だ。
創業者のベン・ランバートは、ポルトガルに移住した後、妻の不動産点検ビジネスを遠隔で運営する必要があることに気づいた。「現地で点検を確認し、信頼性のある情報を得ることが以前ほど簡単ではなくなった。最終レポートが届くのに数週間かかることさえあった」と彼は私に語った。さらに、実際の点検のスケジュール設定も少なくとも同じくらいの問題であることが判明した。
このチャンスを見出したランバートは、AIを活用したワークフロー・ツールのスタートアップ「Checkfirst」を設立した。これにより、遠隔点検が可能だけでなく、地理的な位置や資格に基づいて査定員のスケジュールを立てることができる。これにより、移動が少なくなり、環境への影響が軽減され、従業員も幸せになる。同社は現在、リスボン拠点の早期ステージベンチャー企業Olisipo WayやHiero VC(ソロGP企業)、Notion Capital、およびSource Point、Busuu、Swogo、FaceITなどの企業からのエンジェル投資家のリードによる事前シードラウンドで150万ドルを調達している。
「プロダクトが発展するにつれて、最大の問題はデータ収集だけではなく、企業が利益を得たり失ったりするのはスケジューリングにあることに気付いた。AIはスケジューリングタスクに最適だ」と彼は語った。
「この業界で最大の問題はスケジューリングであり、AIを使えば非常に簡単にスケジュールを組むことができる」と彼は私に語った。「たとえば、査定員がロンドンにいてミュンヘンで建物を監査する必要がある場合、AIを使えば彼らが何をしているのか理解し、全てを組み立てることができる。我々はこれらの大手企業向けのスケジューリングツールを作り出している。これは単なるコンプライアンス対応だけでなく、スケジューリングも含めたものだ。その後、コンプライアンスツールにより、規制基準を満たすためにデータを簡単に収集できるようになる」と彼は語った。
ランバートによれば、TICC業界は世界中で人を動かし続けているという。
「たとえば、査定員が今日はロンドンにいるかもしれないが、会社はロンドンにミュンヘンから誰かを送るかもしれない。彼らはすでにロンドンに誰かいると理解していないのだ。その後、査定員がミュンヘンからロンドンに飛んだら、すぐに利益が失われる。我々のツールを使えば、会社が元々ロンドンに送る予定だった人がロンドンに来る必要がなくなる。それにより、会社は数千ユーロ、それ以上を節約することができる」と彼は説明した。
ランバートは、「当初はオープンソースと商用のAIモデルを組み合わせて使用していた」と述べ、「現在は画像認識とスケジューリングのための独自のデータに基づいて自社のAIモデルを構築している」と付け加えた。
競合他社に関して、Checkfirstはコンプライアンス領域においてIntact Systems、Lumiform、Safety Culture(ユニコーン)、Happy Co(物件管理に焦点を当てる)などの大手企業と競合している。
Lambertによれば、Checkfirstの違いは、APIファーストのソリューションであり、画像認識と自動化にAIを使用し、レポート要約やスケジューリングを行っていることだ。
このスタートアップは、複数の顧客と概念の証明を行っており、その中には3万人の顧客を抱える企業も含まれると会社は主張している。
共同創業チームには、ランバート、CPOのOyvind Henriksen(Poq Studioを創設した)およびCTOのRami Elsawyが含まれている。ランバートは以前、NexmoとAgoraで活動していた。
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