Arm、新チップ発表 台北でCEOのRene Haas氏が基調講演
Arm(アーム)はCEOのRene Haas氏が台北で行った基調講演の直前、スマートフォンのパフォーマンス向上を目的とした2製品を発表しました。Armが発表した最初の製品は、第4世代のCortex-XコアであるArm Cortex-X4です。Cortex-X4は、これまでに製造された中で最も高速なCPUで、人工知能および機械学習に基づくアプリケーションを可能にするとしています。Cortex X-3に比べて15%以上のパフォーマンス向上をもたらし、マイクロアーキテクチャはCortex X-3と同じプロセス上で40%少ない電力を消費、通信速度とアプリの起動時間が向上したことを示しています。
2つ目の製品は、第5世代のGPUアーキテクチャを採用したArm Immortalis-G720です。前身であるImmortalis-G715 GPUは、MediaTekとのパートナーシップによってOPPOやvivoのフラッグシップデバイスに搭載されています。高構成のゲームやリアルタイム3Dアプリケーションを意識して作られたArmの第5世代のGPUアーキテクチャは、モバイルデバイスでコンソールゲームの感覚を再現するために設計されています。
Armは、Cortex-X4のマイクロアーキテクチャは、同じプロセス上のCortex-X3に比べて40%少ない消費電力を持つため、反応速度とアプリの起動時間が向上します。
Armはまた、Immortalis GPU、Armv9 CPU、ソフトウェア強化などを含むモバイルコンピューティングのための新しいプラットフォームであるArm Total Compute Solutions 2023(TCS23)も発表しました。Total Complete Solutionsシリーズは、独自に計算サブシステムを構築しているSoC(System on Chip)デザイナー向けに作成され、TCS23はArmの新しいArmv9.2アーキテクチャをベースにしたプレミアムスマートフォンモデル向けに作られています。そのGPUは、最新のImmortalis-G720、Mali-G720、Mali-G620など第5世代アーキテクチャが採用されています。Armv9.2計算クラスターには、最新のCortex-4、Cortex-A720、Cortex-A520 CPU、DSU-120(Armの最新DynamiQ共有ユニット)も含まれます。
Haas氏は、今日の基調講演でArmは従来IPサプライヤーであったことを述べ、IPとの統合に必要な時間がかかっていることに気づき、CPU、メモリシステム、コンピュートブロックを構築し、統合、設定、検証して完全なシステムを提供することでSoCデザイナーを支援するために立ち上げたと述べました。
Armは、TSMCとの協業を継続し、「TSMC N3Eプロセス上でのCortex-X4のテーピングアウト」を「業界初」と表現しました。
Armは、SoftBank Group Corpの子会社であり、先月、今年最大の初公開株式(IPO)を米国で上場することを発表し、Nasdaqで80億~100億ドルを調達する計画です。
Armが株式上場を決めた背景には、除外型上場会社(SPAC)を除く米国のIPOは、CNNが報じたところ、今年に入ってから約22%減少し、約23.5億ドルにとどまっています。
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