三輪電気自動車を製造する、オレゴン州ユージーンのベースを持つスタートアップ企業、Arcimotoにて、新たなリーダーシップチームが発足すると発表がありました。TechCrunchが報じたところ、Arcimotoは、木曜日に、ボードメンバーであるクリス・ドーソン氏がCEOに就任し、暫定CEOであったジェシー・フィッティパルディ氏に代わることが明らかになりました。この件に対して、Arcimotoは、フィッティパルディ氏が引き続き社長として在職し、ドーソン氏の指揮下に置かれることもアナウンスしています。
さらに、同社からは最近になって2名の重役から辞任が発表されており、その名は、元チーフファイナンシャルオフィサーのダグ・カンポリ氏と元チーフエクスペリエンスオフィサーのリン・イエーガー氏です。また、Arcimotoの製品ヘッドであったドウェイン・ラム氏は、現在同社のCOOを務めています。
フィッティパルディ氏は、2015年からArcimotoの社員として勤務しており、8月には、オレゴン州のニュース局であるRegister-Guardが報じたところによれば、警察がArcimotoの創設者であり、前CEOであったマーク・フロンマイヤー氏にDUI（飲酒運転）のチケットを切った数週間後、暫定的なCEOとして着任しました。CMOのクリス・ドーソン氏は、8月に就任したばかりで、同社の取締役会に加わりました。
クリス・ドーソン氏って誰？
Arcimotoは、ドーソン氏が入社したばかりのNikola Tesla Co.（ニコラ・テスラ社）の最高経営責任者を務めていたと発表しています。ただし、「Nikola Tesla Co.」は、Nikola CorporationやTesla Inc.とは無関係です。
また、現地の報道によると分かるとおり、Arcimotoは、ドーソン氏がテスラ社で5年間働いており、「バッテリープロダクション、Model S/Xのラインアップ、Model 3の一般的な組立に関わっていた」と明らかにしています。そして、ドーソン氏はTechCrunchのインタビューの中で、「自分は幼い頃からニコラ・テスラ氏の大ファンであった」と語りました。また、EV会社と名前が似通っていて混乱すると問われたドーソン氏は、「混乱することは確かです。私はTeslaで長期間働いていたこともあるので、他の人と誤解されることがよくあります」と答えています。
Arcimotoのプレスリリースによると、Nikola Tesla Co.は、「電動化、ハイブリッド化、EV充電、水素パワートレイン開発、水素駆動VTOL、水素パワーシステム、燃料電池、水素電解器開発を含むプロジェクトを手がけるエンジニアリングサービス企業である」とされています。そして、ドーソン氏によると、同社の顧客リストには、Tesla Aerial Roboticsと呼ばれるドローン会社や、アメリカ国防総省なども含まれているといいます。ただし、ドーソン氏はDoDについての詳細については言及せず、「兵役における現在のタクティカルな装備の電動化、ハイブリッド化に関わるもの」と説明しています。TechCrunchはDoDに確認の連絡をとりましたが、回答は未だありません。
Arcimotoの今後の計画は？
2022年末までに、手元資金が50万ドルを下回ってしまったと述べた同社の年次報告書によると、Arcimotoは、「存続に関する合理的な疑いがある」と投資家に警告を発していました。しかし、今年初めに同社は、追加資金を2度に渡って獲得することに成功し、計1800万ドル（約20億円）を調達した旨を発表しています。さらに、追加で600万ドルの資金調達も行い、3輪EVの新製品を3月から出荷すると発表しています。
ドーソン氏によると、Arcimotoは今週から毎週新しい車両を生産しているとのことです。同氏は、同社は過去数ヶ月間に約200人を解雇または契約終了に追い込むことによってコストを削減したと述べ、現在、110人のスタッフを抱えていると付け加えました。
ドーソン氏は、TechCrunchとのインタビューの中で、「今年の末には、製品レベルで利益を出すことができるようになると信じています。それが、これを前に進めるために必要なベースになります」と語りました。
また、ドーソン氏によると、Arcimotoは、既存の「Fun Utility Vehicle」と「Deliverator」という2つの型式に注力していく予定だといいます。
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